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 私は空手之道に入って今年で十一年になるが、その間、空手之道を離れた一社会人としても一人前の人間になるべく、精一杯の努力は怠らなかったつもりである。

 それというのも、

「空手で強くなるのは必要なことだが、人間的に立派になることのほうがもっと大切だ」

 という大山館長のおことばを肝に銘じてのことであるが、たしかに、空手がいくら強くても社会に出て使いものにならないようでは、やはり欠陥人間というほかはないであろう。

 それで思い出されるのは、あの大山泰彦先輩がアメリカ出発に際していわれた言葉である。泰彦先輩は弁護士になるための勉強を途中でやめて本部の筆頭指導員を務めておられたのだが、急きょインストラクターとしてアメリカへ派遣されることになり、その壮行会の席上、

「もし向こうで失敗して日本に帰ってきたら、オレはきっと弁護士の資格をとってみせる」

 といわれた。

 あの大先輩にしてからが、ちゃんと他の道でも絶えざる努力を重ねているのである。私も、父が私の行末を心配して、

「勉強しろ、勉強さえできれば人はバカにしないから、とにかく勉強をすることだ――」

 という言葉を忘れてはいなかった。社会人となってからは、「勉強」という言葉を「仕事」に置き換えて頑張ってきたつもりである。空手の修業でも自分の得意技を一つ持つことが大切だが、こと仕事の面でも、

「これをやらせたら、あいつは専門家だ」

 といわれるようになろうと思い、自分に合った職種を探して、それに打ち込んだ。昔は「石の上にも三年」といったが、今は館長もいわれるように、三年ではなく十年の覚悟が必要だろう。

 よく、仕事が忙しいから勉強ができないとか、誰も教えてくれる人がいないから、とかいう人がいるが、それは間違いだと思う。物事は他人を頼るのではなく、自分で努力して切り拓いてゆくものだと思っている。
 道場でも、組手の時間になると私は目を皿のようにして先輩たちの動きを観察し、その学ぶべき点を盗んで、それを自分に合うように直していった。何かを志し、その道を達成するためには、この「盗む精神」が何よりも大切だと私は思っている。

 母にいわせると、私の欠点は我の強すぎることだそうだが、当たらずとも遠からずというべきだろう。自分でも、もっと円くならなければと思う。そして、そろそろ人並みに親孝行をしなければ――と。

 母も此頃はずいぶん年をとり、からだの方も衰弱してきている。後姿を見ると、小さくなったなあと思う。今でも弟より私のことのほうが心配でしょうがないらしい。私の結婚のことが、今いちばん気がかりのようである。私の体恰好がふつうではないので、嫁にきてくれる人がいないのでは、と心配している。私自身、結婚したいと思った女性が過去いなかったわけではないが、ついに自分の気持を打ち明けられぬまま失恋に終わった経験がある。いまさら体のことが気になるようでは、まだまだ修業がたりないと反省しているが、しかしそのうちきっと、私の気持を理解してくれる人が現れるだろうと思っている。

 それに、私にはまだ大きな夢がある。いつかチャンスがあれば、一度は海外へ行ってみたい――

 これは空手を始めたときからの夢であり、夢が夢だけで終わってしまうかもしれないが、とにかく努力だけはしてみるつもりである。

 この連載も今回で一応終了させていただくが、私の「なせばなる!」がこれで終わったとは思っていない。私が死ぬときに、

「自分は、人生を精いっぱい生きてきた――」

 と思えたとき、はじめて「なせばなる!」ということになるのだと思う。



 この連載を始めるにあたりお世話になった皆様方に感謝するとともに、読者諸兄のご繁栄を祈りながら筆を擱かせていただきます。


〈完〉

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