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 いろいろと思い出の尽きない第四回大会ではあるが、この辺ですこし話題を変え、私の空手修行を通じて印象に残っている組手の相手について、少し書いてみようと思う。

 あれはまだ黒帯になりたての頃であったか、ボクシングのミドル級ランカーと組手をしたことがあった。このクラスになると体も大きく、パンチにもスピードがあるので、打ち合いになっては負けると思った。そこで、相手がパンチで顔面を狙ってくるところを、それに合わせて前蹴りを出した。つまり、カウンターである。相手はその前蹴りが入る度に唸っていた。

 次はイスラエル人の巨漢で、180センチ120キロもあったろうか。とにかく大きく、道場で対き合うと小山の前に立っているような気がした。一度この相手の前蹴りをまともに受け、二メートル位もフッ飛ばされたことがある。突きを入れても全然きかず、これでは駄目だと思い、次からは作戦を変えた。相手が攻撃してくる瞬間に素速く身をかわし、相手のうしろへ回り込み、しかるのちに攻撃に転ずるわけである。

 このうしろからの攻撃は予期した以上に効果があり、以来、大きな相手とやる時は、私はまともに相手の前には立たないようにしている。

 今までで対戦して一番こわかった相手は、なんといってもあの現役の相撲取りだった。もう三年程前のことになるが、時津風部屋の松乃山という十両が本部に稽古にきていた。180センチ110キロというから、ほぼ貴乃花クラスの体格で、たしか緑帯まで昇級したと思う。からだが非常に柔らかく、両足を百八十度に開いたまま、上体が全部床につくのである。見た目は筋肉がたるんでいるようだが、実際は大変しまっており、腹筋などはとても固かった。

 ある日、この松乃山が地下の道場でサンドバッグを蹴っているのを見たことがあるが、、彼が蹴るたびにサンドバッグが半分に折れ曲がるのである――これには、正直おどろいた。

 その数日後、私と後輩の岸とで一般部を指導していた時、この松乃山も出席しており、彼の組手の相手をすることになった。
 本部の組手は、ふつう指導員が二人出て、まず二人を相手にし、次はその二人を入れ替えて再び相手をする――つまり、下の者は続けて二回、違った指導員と組手を行なうわけである。

 松乃山はまず岸の方へ行き、私は他の者を相手にしながら、二人の闘いぶりを観察していた。

 見ていると、岸が攻撃をかけるたびに、松乃山はその岸のからだを持ち上げては床にたたきつけている。隣で私は背筋が寒くなった。あの力で投げられたら、ひとたまりもなかろうと思った。が、後輩の見ている前で負けるわけにはいかない。どうやって倒してやろうかと、目の前の相手をあしらいながら思案をめぐら した――

 時がきて松乃山が私の前に立った。私は彼のまわりを回った。館長がよくおっしゃる円の攻撃である。とにかく私は彼のまわりをグルグル回った。足をとめたら掴まえられると思ったからだ。

 そして回りながら右のローキックを相手の左足に決めた。すると、松乃山の体がグラッとかたむいた。「これはいける」と思い、もう一発狙った。今度はいやがり、彼は跳び上がって避けた。これで相手の弱点は足にあることがわかった。

 そうこうするうち、いきなり松乃山が突進してきた。相撲取りの突進力には、とてつもないスピードがある。彼は突進しながら、猛然と前蹴りを蹴ってきた。回転しながらあやうく避けたが、胸許を少しかすられた。あとで見たら赤くミミズ腫れになっていた。

 今度は私が攻撃に転じ、右ローキックから、すかさず左のハイキックを顔面に決めた。これがキレイに決まった。巨体がグラッときたので、もう一度間髪をいれず左のハイキックを胸板に決めた。松乃山は低くうなって、苦しげに上体をかがめた。これで勝ったと思ったが、やがて時間がきて太鼓が鳴った時は、ホッと安堵の息をついた。まったく生きた心地がしなかった。

 もしこれが道場でなく、時間に制限のないデスマッチだったら、あるいは自分が負けていたかもしれない、と思った。おそろしい相手であった―― 
 
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